メタボリックシンドローム 肥満
■1300万人が有病者 メタボリック症候群
内臓脂肪型の肥満に高脂血症や高血圧、高血糖の症状が重なると、それぞれは深刻でなくても心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などに進行する危険性が高まる「メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)」について、成人の有病者は約1300万人と推計されることが8日、厚生労働省の2004年国民健康・栄養調査で分かった。
有病者一歩手前の“予備軍”も約1400万人で、両方合わせると約2700万人。
中高年になるほど増加傾向を示し、40-74歳に限ると男性では2人に1人、女性では5人に1人が有病者か予備軍だった。
メタボリック症候群の実態を国が調査したのは初めて。
厚労省生活習慣病対策室は「重大な結果だ。
原因となる不健康な生活習慣を改善するには適度な運動とバランスのよい食事、禁煙が大切だ」としている。
(共同通信より)
■ メタボリックシンドロームの診断基準
2005年メタボリックシンドロームの診断基準が発表されました。
●ウエスト(内臓脂肪)が男性85cm以上・女性90cm以上。
●高トリグリセリド血症(150mg/㎗以上)または低HDLコレステロール血症(HDLコレステロールの数値が40mg/㎗未満)
●最高血圧130mmHg以上・最低血圧85mmHg以上
●空腹時血糖値が110mg/㎗以上
■肥満の人は高血圧になりやすい?
太っていると高血圧ばかりではなく、さまざまな生活習慣病を招く危険性が高まります。
肥満は脂肪の固まり方で「内臓脂肪型」と「皮下脂肪型」に分けられます。
内臓脂肪型の方が高血圧との関わりが深く、高脂血症や糖尿病を発症しやすくなります。
どうして肥満が血圧の上昇を招くのでしょうか。
それは、おもに血液中のインスリン濃度が高くなる高インスリン血症によるものと考えられています。
食べ過ぎや運動不足によって消費しきれなかったエネルギーは中性脂肪に変わり内臓脂肪の脂肪細胞に蓄えられます。
内臓脂肪が増える事であるいは中性脂肪分解時に交感神経の緊張が高まり、血圧を上げるホルモン(カテコールアミン)の分泌が促さ
れ、また、腎臓でナトリウムを取り込む量も増え、体の中にナトリウムが蓄えられてしまいます。
太っているとこのような作用が相まって血管を収縮させ、血圧の上昇につながるわけです。
■ 太りすぎは大腸がんに注意 男性でリスク1・4倍に!
体格指数(BMI)が27以上の太りすぎ男性は25未満の男性に比べて大腸がんの発生率が1・4倍に上昇するという大規模疫学調査の結果を厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が8日発表した。
研究班は、岩手、長野、沖縄県など全国10地域で、40-69歳の男女約10万人を約9年間にわたって追跡調査。
肥満と大腸がん発生の関係について調べた。
この結果、追跡期間中に約1000人が大腸がんになり、BMI(肥満指数)が27以上の男性は、25未満の標準ややせた男性に比べて大腸がんになるリスクが1・4倍高くなることが分かった。
また女性では肥満指数による大腸がんリスクの上昇はなかった。
(新聞記事抜粋)
こんな記事を見ると私たちに「病」びょうが「秒」びょう単位で迫ってくる感じがする今日この頃です。