■ 高血圧症の人口は?
高血圧と診断される人口は現在世界では約10億人にも達しています。先進国での増加が顕著に見られ、
2025年には高血圧人口が15億人を優に超えると推測されています。
日本での高血圧患者も推定で4,000万人いるとされ、最も患者数が多い病気であり今や国民病とも言える病気です。
更に50歳以上では2人に1人が高血圧とされる身近な病気といえます。
高血圧の95%以上の方は原因を定められない本態性高血圧と言われています。
高血圧の大半は未病と言え症状に乏しく体調の変化をなかなか自覚できないので注意と日頃の生活習慣での予防が大切なのです。
高血圧が不健康であるという認識を皆さんは持っているようですが、自覚症状があまりないために病院や健康診断で
「高血圧」と診断されてもとかく曖昧にしてしまい、高血圧の恐ろしさをいまいち知らないようです。
日本人の死亡原因第1位はガン、2位心臓病、3位脳卒中と続きますが、心臓病と脳卒中を合わせるとこれらの疾患で亡くなる方は
国民全体の3分の1を占めガン以上の死亡原因となります。心臓病や脳卒中という病気は血管の疾患であり高血圧がこれらを引き起す
重要な危険因子とされています。 高血圧は初期での自覚症状がなく自覚症状が出始めたときにはすでに生死に関わる病気に進行しているという
ケースが多くサイレントキラーの異名があるほどです。
まず血圧とは、血液が血管を通る時にかかる圧力のことです。血液は心臓の収縮運動により全身へと流れていきますが、
この血液を送り出す力が強く血管に強く圧力がかかった状態が高血圧です。数値的にいうと収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上の場合です。
高血圧状態が続くと血管に負担がかかり、血管の弾力性が低下、血管の内腔が狭くなっていきます。いわゆる動脈硬化を促し、
血管のダメージ部分にはコレステロールや脂質が溜まりやすくさらに血液の流れる道はどんどん狭くなっていきます。
この動脈硬化は全身に及びますが、特に血液を必要とする脳や心臓部で動脈硬化が起こると重篤な症状を引き起します。
当然、血液を強い力で全身へ送らなければならない心臓への負担は大きくなり心疾患を招きます。
高血圧治療ガイドラインより
1.減塩 6g/日未満
2.食塩以外の栄養素 野菜・果物の積極的摂取・コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える・魚(魚油)の積極的摂取
3.減量 BMI(体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)])が25未満
4.運動 心血管病のない高血圧患者が対象で、中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)行う
5.節酒 エタノールで男性は20-30ml/日以下、女性は10-20ml/以下
6.禁煙
生活習慣の複合的な修正はより効果的である
重篤な腎障害を伴う患者では高K血症をきたすリスクがあるので野菜・果物の積極的摂取は推奨しない。
糖分の多い果物の過剰な摂取は、特に肥満者や糖尿病などのカロリー制限が必要な患者では勧められない。